ネット時代の音楽家達

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長らくブログの更新をサボってしまった。
老耄の域に入ったせいであろうか、老眼に飛蚊症・3つの腫瘍を抱えていることもあって、史学研究の気力が衰えてきたのは間違いない。
拙家遠祖の史学的研究は数年前に一段落しているので、これからは余生を楽しむことを主眼とし、若い頃より大好きであった音楽関係の事を書いて行こうと思う。

インターネットの急激な進歩によって、今では長時間の動画であってもyoutubeなどにアップロード出来るようになり、若い音楽家達の素晴らしい演奏を自宅に居ながら聴くことが出来るようになった。

ホームページ・Twitter・Youtube・instagram・Tiktokなどを駆使し、積極的に演奏をアップロードされている。彼らの新しい試みは、既存のコンクール入賞云々とは全く別の視点で活動されており、実際多くのファンがつき、その結果、音楽興行会社によりコンサートが催されるようになった。
私もファンの一人であり、CDやライブチケットを購入し、楽しませて頂いている。

殆どの方がクラシック音楽の素養をお持ちで、音楽理論を充分ご理解されている事もあり、レパートリーはもの凄く広い。
その上で、一般大衆が求める音楽をピアノ一台で演奏する為のアレンジを楽々と熟し、素晴らしいオリジナル曲を幾つも作曲されておられるのには頭が下がる。

昨年末に(2021/12/31)にNHKのFMで「ピアノyoutuber」特集を2時間にわたって放送された番組は素晴らしかった。
司会進行はハラミちゃんが勤め、菊池亮太・みやけん・Animenzさんがトークを交わし、独奏・連弾された。録音してあるがネットに公開することは法的に出来ないのが残念である。この放送は永久保存版とも言える内容だった。

番組の途中でハラミちゃんが「みんな違ってみんな良い」と話していたが、正にその通りだと思う。
夫々の個性があって、でも、なんの練習もなく一つの曲を即座に連弾出来る。途中で互いに即興でソロを弾き合い、伴奏も見事に合っている。
この4人が一堂に会す事は日常では考えられない。NHKならではの番組だと思う。

昨年5月に河口湖湖畔で開催された「PIANIC」の一部が公開されており、ハラミちゃんと菊池亮太さんの連弾がハラミちゃんのサイトに上がっている。

翌日菊池さんがご自宅からの生配信の中でお話になっていたが、事前に何の打合わせもなく演奏されたとのことであった。

このコンサートの縁で、ハラミちゃんは大塚愛さんと交流を深められ、ハラミちゃんとのyoutube共演を始めとして、その後愛さんのコンサートにゲスト出演され、また、民放でも共演されていた。

先日のyoutube登録200万人記念200曲演奏の折には、全くなんの連絡もなく(多分スタッフさんは知っていただろうが)途中でお祝いに駆け付けられていた。何とも微笑ましい光景だった。
また。清塚信也さんもケーキを持ってお祝いにこられ、まるで掛け合い漫才のような軽妙なトークを繰り広げ、4曲連弾された。123曲が終了し、清塚先生が来られる場面から是非ご覧になって頂きたい。

①クラシック出身 ②作曲出来る ③アドリブ出来る ④コードを使える のは稀有な存在とご指摘になっていた。ハラミちゃんは何でもできる。クラシック出身でこれが出来る清塚は天才だとオチを付けて大笑いされていた。パパミちゃん・米塚先生とお米さん(ハラミちゃんファンのこと)から大人気の清塚先生の好評価は言い過ぎではない。

最後に即興作曲連弾されたハラミちゃんテーマ曲は素晴らしかった。清塚先生はいつも若いピアニストに優しくサポートされており、多くのピアニストが心強く思っている事だろう。

ハラミちゃんは度々TVにもゲスト出演されている。きっかけは広瀬香美さんとのコラボ動画だったが、その後何度もTVに呼ばれるのは、彼女の出演が放送局スタッフの予想以上に高視聴率を叩きだしているのだろう。

NHKBSで放送されている「歌えるJ-POP」に初めて出演された時に、倖田來未さんと共演された「愛の歌」はハラミちゃんの見事な伴奏により、全く新しい壮大な芸術を醸しだした。この共演がNHK内部で大好評となり、以降の出演に繋がったとMCの平野ノラさんが番組内でお話になっている。

中島美嘉さんとの「Desire*」・「異邦人」、また、坂本冬美さんとの「また君に恋してる」・「夜桜お七*」にはバイオリニストの廣津留すみれさんも加わり、聴衆を魅了している。
[*]が廣津留すみれさん共演

菊池亮太さんはネットピアニストがyoutube上で連続演奏を行うことで、互いに盛り上げようと「ネピフユ」・「ネピサマ」を企画され、後輩たちの応援もされている。良い先輩だな~と何時も感心している。

彼は作曲家としても素晴らしい才能をお持ちで、昨年8月にサントリーホールで開催されたコンサートで発表された「パガニーニの主題による変奏曲」は正に秀逸と言える。菊池さんのyoutubeにUPされているので、ご覧になって頂きたい。

みやけんさんはプロのトロンボーン奏者であるが、幼少より自宅にあるピアノに親しまれてきたものが、このコロナ下でピアニストとしての活動が多くなり、瞬く間に人気を博して来られた二刀流ピアニストで、稀有な存在である。バンドミュージックや最近公開された美空ひばりさんの名曲メドレーは極めて秀逸である。

チカコシュカ(chicacoshka)さんはモスクワ音楽院を卒業され、ロシアやヨーロッパでご活躍になっておられたが、コロナ下で帰国されストリートピアノを始められた素晴らしい演奏家。
ピアノキッズにとても優しく、何度も連弾されている。また、自ら発案し、子供達とコンサートを開催されている。小柄にも拘らず、彼女のラフマニノフは迫力満点で聴衆を釘付けにする。

あさぴ(朝香智子)さんと連弾された情熱大陸は正に女神達の戯れとでも言えよう。

こんな光景を以前は全く予想出来なかった。正しくインターネット時代の革命とも言ってよいだろう。
既存のクラシック音楽コンクール云々の権威体制は消えることは無いだろうが、若いyoutubeなどのSNSを駆使する演奏家達には何の影響力も与えることは出来ないだろう。

演奏家は聴衆が求める音楽を提供してこそ生計が成り立つのである。
聞いた事もない作曲家のマイナーな曲を演奏されても共感は得られない。
マーケティングに基づいて曲を演奏する音楽家に、今までクラシック音楽とは無縁であった聴衆がファンとしてつき、CDやライブチケットを購入しているのである。

ピアニストとしてクラシック音楽の素養は必須であるが、実社会おいて演奏を求められる機会は多くない。多くのピアニスト達が全国でコンサートを開催されているが、殆どが100~200人程度の会場であり、それでも単独で開催される事はそう多くなく、伴奏者や共演者がおられる。その方々の家族・親戚・知人関係者を除けば、チケット完売しましたとは言われても、実際のファン数はそう多くない。

単独で1000人を超える会場を満杯に出来る方はごく僅かである事が判っていても、相変わらず古来のクラシックに拘り続けているピアノ関係者は多い。

youtubeに演奏を上げ、自宅から生配信をし、ファンを大切にしてこられている方は、自然とテレビやラジオ局・マスコミなどに取り上げられるようになってきている。
演奏が素晴らしいだけでなく、人格的にも尊敬に値する言動が多く見られる。

私は予てより秀でたものを持っていれば、周囲が抛っておかないと言い続けている。
彼らの活躍が、憧れをもつ子供達に大きな影響を与えており、小学生でも素晴らしい演奏をする子供がいる。その子たちに彼らはみんな優しく接し、一緒に連弾されている。
そして何より皆さん謙虚。奢った態度や言動をとる方はおられない。

テレビやマスコミに取り上げられるとヤフコメなどに嫌味を書きこむ方も出てくるが、それは僅かな心得違い者がすることで、昔で言えば便所の落書き。中にはピアノ関係者かと思われる投稿もあるが、無視をすれば良いだけ。妬みを無くすことは不可能。
ファンの方がそんな事で影響される事は決してない。

お天道様は見てござる。


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