本家筋を大切に

家系の遡及

家系を遡及してゆく段階で明治初期の本家筋へ辿り着かねばならないことは先日書いた通りであるが、ここまでの段階を踏むことをせずに何とかならないかと相談を受けることがある。

今更本家筋の当主に頭を下げて挨拶に行くのが邪魔臭い・面倒だ・上から目線で物を言われるのが気に入らないとか、色んな理由をつけて回避しようとされるが、家系を云々と言われる方なら、大事な遠祖を今日まで大切に祀ってこられた本家に対し、感謝の念を持たれるのは当然である。

そんなことはお構いなしにして立派な家系図を作られたとしても、遠祖が喜んでおられるとは到底思われない。

在地を離れる契機は色々であろう。拙家のように在地へ赴任してきた大名から人質のように出仕を求めらられる場合もある。また、大名の転封に従って移住した商人もおられる。
農家の次男坊以下で、町へ出て何処かの商人に丁稚奉公に行き、その地へ住み着いた方も居られるだろう。

戦後の昭和40年頃は、中卒・高卒の若い人達は金の卵と持てはやされ、工業化へと進んでゆく日本を支えた方も居られるだろう。

盆暮れには鉄道は郷里へ多くの土産を持ち帰る人々で溢れたのはそう古い話ではない。
しかし、その方たち既に没し、代を重ねてゆけば、出身地との縁は殆ど薄いものになっているだろう。

成功された方は故郷へ錦を飾れるが、中には行きづまってしまった方も居れるだろう。
代を重ねる度に明治初期の本家とは疎遠になってゆくのは致し方無いことではあるが、家系を遡及をされようとする方は、絶対に避けることは出来ないものだと理解して欲しい。

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